以前、どこかのカード会社のコマーシャルで、「プライスレス」というキャッチフレーズがありました。
確かに世の中にはお金では測れない価値のあるものも存在します。
それが何かは人によって違うでしょうし、またここで考える話しでもありません。
前出のコマーシャルはその後に「買えるものは〇〇カード」と続きました。
確かに買えないものも世の中には存在しますが、買えるものも沢山あります。
長田雄次から見た株式投資とは
そんな中でも大きなものの部類に入るのが「会社」でしょう。
株式公開している上場企業であれば、誰でも株を買うことが出来ます。
会社の所有権は株主にありますかし、株を買うとはつまり会社を買うことに他なりません。
長田雄次(エピックグループ)も言ってますが、ところが多くの人は、株式投資をギャンブルのように考えています。
テレビのニュースでも日経平均株価が上がったり下がったりすると必ずニュースになります。
そして面白いのは、株を持っていない人まで日経平均が上がれば景気がいいような気がしますし、下がれば日本経済が沈没するのではないかと不安になります。
これは実に不思議な現象です。
株式投資の2つの考え方
なぜなら、株価が上がろうと下がろうとその会社の価値とは関係ないからです。
株式投資には大きく2つの考え方があります。
ひとつは株価の値上がりによって利益を得ようとするもので、これをキャピタルゲインと言います。
もうひとつが株を持っていることで受け取れる配当金などで利益を得ようというもので、これをインカムゲインと言います。
そして多くの人が前者のほうを株式投資だと認識しています。
もちろん、どんな物でも儲ける基本は安く買って高く売る、ですからキャピタルゲインの考え方は非常に重要です。
しかし、ただそれだけに目が行ってしまうと、株式投資はとてもしんどいものになってしまいます。
キャピタルゲイン重視で株を買うと、毎日の株の値動きが気になってそれだけで神経をすり減らします。
ここで厄介なのは、株が値下がりすると落ち込むのは当然として、株が上がっても不安に駆られるのです。
これは、「今は儲かっているけれど、もし下がったらどうしよう」という不安心理に囚われてしまうのです。
そしてあまり利益が出ていない段階で株を売ってしまい、充分な利益を出せない状態となってしまう、という現象がしばしば見られます。
これは「プロスペクト理論」と呼ばれていて、行動経済学の世界では主要な命題のひとつです。
ほとんどの人はこの不安心理の呪縛から逃れることが出来ません。
結果的にキャピタルゲインを目指しても失敗する事の方が多いのです。
そもそも株価はどうして変動するかというと、いわば空気、気分です。
適性な株価を見つけるための指標というものがいくつも考案されていますが、もしこれらの情報で適性な株価が定まるのであれば、市場にその会社の業績に関する情報が流れた時だけ、株価は反応するはずです。
ところが現実には、その会社の業績の情報が何もなくても株価は上下します。
従って、株式には適正価格はないのだ、と考えた方が正しいと思います。
しかし、どこかで割安だと思うポイントを見つけないとキャピタルゲインはおろかインカムゲインでも投資出来なくなってしまいます。
そこで結論としては、自分なりの基準を基にして株価の妥当な価格を想定し、それより下なら割安と判断する事です。
インカムゲインも合わせて考えておく事も大切
そして、購入した株が下がっても上がる事を確信する事です。
ここまで覚悟が決まっていれば、毎日の株価変動に一喜一憂することはなくなります。
そしてもうひとつはインカムゲインも合わせて考えておく事です。
どれほどの信念で購入した株でも、低迷したままでは潜在的に損をしているため資金を塩漬けにしたままになっている事になります。
そうなると信念も揺らいでしまいます。
そこで、高配当株を選んで買っておけば、投資資金は動かせなくても、定期的に回収は出来るので気持ちも落ち着きます。
もちろん、高配当であればどれでもいいというものではなく、先ほどの自分なりの基準に基づいた中での高配当株を選択するのです。
配当金でなくても、株式優待を狙うのもひとつの方法です。
自分にとって利用価値があるものであれば、株主優待はなかなかおいしいインカムゲインといえます。
インカムゲインはいわば事業収入に近いものです。
事業でも投資資金がすぐに帰って来るわけではなく、投資して得られた施設なりを稼働させる事で回収を図るのです。
これがより株式投資の本来の姿に近いといえます。
会社本来の事業に価値があるのであれば、いずれは株価は上がります。
まとめ
ただそれがいつになるのかが定まらないし分からないというだけの話しです。
そのいつかを見つける方法は残念ながらありません。
それよりもインカムゲインで確実に回収をしていけば、安定的に運用を続けていくことが出来ますし、何よりも精神衛生上非常によいといえます。
株式投資のベースはインカムゲインにおき、タイミングがあえばキャピタルゲインでの利益も狙う、こういう心構えが最も有効な方法です。