雛人形の形態と種類

雛人形の歴史を振り返る

雛人形の歴史は人の形に切った紙で身の穢れをぬぐい川や海に流したことから始まりました。
平安時代に流行ったひいな遊びに使われた人形と流しびながいつしか合わさって雛人形になりました。

江戸時代には雛人形をつくる職人も出てきました。
人形町という町がありますが、ここには人形を作る人、修理する人、商う人、操る人と人形に携わる人が多く暮らし、そのことから呼ばれるようになった通称でした。

正式にこの町名になったのは昭和8年からです。
季節ごとに市がたち、年末から正月にかけては羽子板など3月には雛人形、5月には武者人形と季節季節で大変にぎやかでした。
裕福な家では人形のみならず、道具にも贅を凝らした段飾りが発展していきました。

一方関西では御殿飾りという建物に配置するドールハウス的な雛人形が主流でした。
これは平安時代からの「ひいな遊び」からの流れが濃いといわれます。

公家、武家、町人とそれぞれの身分により様式が異なっていましたが、関東も関西も人形師や職人たちは日本人の持つ手先の器用さを存分に発揮しており、今残されているものを見てもため息が出るほどです。

ひな人形の形態について

ひな人形の形態には様々なものがあり、広島の三好では土人形によるひな人形がみられます。
藩主浅野長治公が江戸から人形師森喜三郎を連れ帰り土人形を作らせたのがはじまりだといわれています。

粘土を固め成型後素焼きして彩色し膠を塗布し光沢を出します。
この人形は三月の初節句には女の子だけでなく男の子にも誕生とこれからの健やかな成長を願って贈ります。

木目込みによるひな人形は一般的にみるひな人形よりもコロンとしたそのかわいらしさから現代でも大変人気です。
作り方は桐塑(桐の粉を混ぜた粘土)や木で土台となる人形をまず作り、そこに筋彫したところに、目打ち(手芸用の千枚通しのような形の錐)で布の端を土台となる人形に押し込んでいきます。


写真/https://www.ip-lambda.com/search/sales/saitama/saitama/saitama/shop/1150/page/126983/より

木目込みの名前はこの筋彫に布を押し込む様からつけられました。
京都の上加茂神社に仕えていた職人高橋忠重が作ったのが江戸時代中期に始まりといわれています。
その後江戸に下った京職人により江戸に伝わり江戸風に変化していきました。
そうして江戸で作られるものは江戸木目込人形と呼ばれるようになりました。

江戸時代から明治、大正と長い間裕福な家では段飾りが主流でしたが、昭和になると第二次世界大戦による大都市圏での焼失や戦後のライフスタイル変化や居住空間の変化により一部屋占領するような豪華な段飾りや御殿飾りはあまり見られなくなり、今では男雛、女雛の二体だけの平飾りの人気が高くなっています。

孫に贈る場合は、かつては女親がするものとされていましたが、今では夫妻どちらの側でもこだわりがなくなっているようです。
お祝い金を渡しそれで好みのものを購入してもらう実用的なプレゼントの仕方も増えてきています。

雛人形を購入する場合

完成品の購入に関しては1月、2月に購入される方が多いようです。
近年、中高年の間で自分の為のおひな様を購入される方が増えてきています。
実店舗でゆっくり検討するのも良いですし、ひな人形は通信販売、ネット販売でも購入できます。

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完成品もありますが、オーダーを受け付けるところもあります。
飾り台を選び、屏風、雪洞、お花、親王台、お道具、お雛様を選んで作る、セミオーダーだとオーダーほどの料金にならずに、自分好みのセットを作ることが出来るので人気が高いようです。

その種類も多くなってきています。
おひな様の固定観念を覆す見ているだけで楽しくなるような自由な発想のものも多くなっています。
専用のデザイナーによる美しい世界観にまとめられたおひな様は斬新な発想ながら上品さが際立ちます。

着物ひとつとっても、白、紫、薄緑、ピンク等同じ色調で統一された上にそのデザインの隅々まで手を抜くことなく仕上げてあり大人が欲しい逸品になっています。

雛人形は顔が命

ひな人形の命は顔と着物ですが、着物の柄はどの店も力をいれていており様々な種類があります。
透け感を大事にするシースルーを取り入れたり、着物の柄も和柄以外にもハートや、薔薇、ユリなどをさりげなくあしらっているものが増えているようです。

また、ゴシックロリータファッションのおひな様は小物もすべてその仕様で作られています。
テレビの情報番組にも取り上げられたこともあるので、ご覧になったこともあるかもしれませんが、ゴスロリとはいえ、着物をアレンジしてありますので、古来からの伝統を壊すことなく絶妙なテイストに仕上がっています。

有名陶器の海外ブランドによるおひな様もこっくりとしたそのツヤと優しい色合い、現代的なお顔がマッチしていてほれぼれします。
現代的な顔といえば、男雛、女雛ともにふっくらとした丸顔にパッチリまつげのおひな様もあります。

癒されるベビーフェイスのおひな様も人気があります。
キャラクターや、ゆるキャラによるおひな様もかわいらしくお手頃な価格です。
インターネット通販でも多数取り扱っていますので、ぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。

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